二大巨大仏比較

牛久大仏 仙台白衣大観音
近年、建造技術の進歩により、ビルディングのみならず、大仏、大観音、大観覧車など巨大化が進んでいるようである。そして世界一の座に着きギネスブックに登録するのもつかの間、すぐ他に抜かてしまうようだ。
かつては大きな大仏といえば奈良・鎌倉、大観音といえば高崎としか思い浮かばなかったのであるが、日本中にはそれらをしのぐ像が多数存在している。当然ながら近年建造されたものほどスケールが大きい。
もちろん大きければいいというものでもなく、全体のデザインや顔の表情も重要ではあるが、大きいものは実に壮観で見ごたえがあることは確かだ。
  
現在日本で最も大きい立像は茨城県にある牛久大仏であり、日本一どころか世界一としてギネスブックに登録されている。高さは台座込みで総高120mである。(牛久大仏入口にあった説明板もご確認下さい。)
この高さはギネスブックへの登録を意識した設計であるようにも思える。

これに対し、観音像として日本一とされているのが宮城県にある仙台白衣大観音であり、総高100mである。仙台市の市制100周年を記念して100mの高さにしたと記述してあった。
観音様に関しては淡路島にある観音様が総高100mで観音像としては仙台白衣大観音とタイになる。私は淡路の観音様は実物を見たことがないが、調べてみると大きな台座の上に立っており台座込みの高さが100mとのことである。台座部分を除いた仏体としては仙台より小さいことは明らかである。また、小豆島の観音様が108mで最大という説もあるが、ほとんどの資料では60m級の大きさと記述してあり、その真意の程は不明のため、本ページでは仙台が最大としておくこととする。

それではその牛久大仏と仙台白衣大観音の大きさがどのくらいなのかを感覚的に掴むため、お台場パレットタウンにある大観覧車と写真をマージしてみた。
(下図)

それぞれがいかに大きいかが良くわかる。もし本当にこのような位置に仏像様が位置していたなら、観覧車に乗ったカップルが上部に達したあたりで窓越しに仏像様と目が合い、あらためて「参拝」ということになる。
この他、100m前後の建造物としては横浜マリンタワー(106m)、レインボーブリッジの主塔(芝浦側123.134m、台場側121.500m)などがある。

さて、次にこの両仏像の大きさについてさらに比較をしてみる。
淡路島の観音様が台座の高さで総高をかせいでいることは先に述べたが、これは牛久大仏にも当てはまる。もういちど牛久大仏入口にあった説明板を見てみる。
この説明板はかなりラフなもので比較用に示した他の建造物の縮尺と大仏様の120mを示す縮尺とがあっていない。0m基準線の差が20mのはずなのに30mぐらい離れている。これから察するに、台座の高さは20m以上あり仏体の高さは100mに満たないことになる。
私が自ら撮影した両者の写真をおおよそ縮尺を揃え、牛久大仏の最高部から下側100mまでの写真を切り取り、仙台白衣大観音と比較してみることにする。
※写真での比較など大雑把であり乱暴な方法かもしれないが、台座から降りた状態での比較をしてみたかったため。

最高部から100mまでを切り取ると、牛久大仏の足より下の台座の一部まで含まれる。おそらく仏体自体は100mに満たない。それでは仙台白衣大観音の仏体のほうが大きいことになるのか?仙台白衣大観音の高さの基準がどこからなのかわからないがこちらも数m程度の台の上に乗っている。したがって、仏体のみでの大きさ比較はこの写真では結論はでない。
しかし世界一を誇る巨大大仏様が台座から降りて仏体のみで背比べをすると、世界一はおろか日本一の座も危ういということだけは判明した。

まあ、ここまで追求しなくても台座込みで世界一を誇れば良いだけである。最近台湾に世界一に高さを誇るビルディングが完成した。もしこの屋上に大仏や観音様を立てたら、ビルを台座とした世界一大きな仏像になってしまうのか?そんなことはないだろう。仏体より台座が大きい場合は常識のレベルで認められることはないはずである。
最後にくだらない妄想をもう一つ。
もしこの両仏像が動き出しケンカを始めたらどちらが勝つであろうか?身体の肉付きのよさ、精悍な顔つきから、ビンタ一発で仙台に軍配が上がりそうだ。

以上