日本最北限の地 到達報告

日本の最北端はどこか。それは択捉島のカモイワッカ岬であり、その緯度は45度33分18秒になる。ただし択捉島は領土問題未解決の北方領土。現状では到達することは困難である。
実際に到達可能な最北の岬を訪問の対象として北へ向かった。
北海道には日本最北端の岬(稚内の宗谷岬)と日本最北限の岬(礼文島の須古頓岬)と、ともに最北を表記する岬がある。
まずは須古頓岬から訪問した。
  
東京羽田空港からはANAの稚内直行便を利用し、稚内空港に降り立った。稚内空港からは車で20分程度走ったところにある旅客ターミナルからクイーン宗谷に乗り、利尻島へ向かう。
ここは利尻島の姫沼である。とても神秘的な沼である。ここから見る利尻富士はとてもすばらしい景色らしいがあいにく天候が悪く影形も見られなかった。
利尻島ではほとんど利尻富士の勇姿を見ることができなかったが、翌日、礼文島へ渡る船上からようやくその姿を現してくれた。
そして礼文島に到着。夫婦島と呼ばれる利尻・礼文の2島は違った魅力があるので、両島訪れることをお奨めする。写真は礼文島香深港である。
香深港から宗谷バスに乗り、島の北側へ向かう。沖合いには海驢島が見える。
最北限の岬に向かう前に島有数の景勝地、澄海岬へと向かう。澄海岬はスカイ岬と読む。
ここが澄海岬である。なるほど、海が澄んでいる。見事な眺望である。
  
ふたたび宗谷バスに乗り、島の最北端へ向かう。
  
そして駐車場に降り立ち、いよいよ日本最北限の岬、スコトン岬である。岬には観光客が大勢景色を堪能している。この日は天気も良く、見晴らしも良かった。
沖に見えるのは海驢島。そしてさらにその先には種島(写真には写っていない)という岩礁があり、そこが礼文町最北の地になる。スコトン岬の緯度こそ45度27分45秒であるが、属島である種島の緯度は45度30分15秒になる。しかし、ライバル関係(?)の宗谷岬沖合いに浮かぶ弁天岩(45度31分14秒)に対して1分16秒の僅差で及ばず南に位置している。ちなみに1分16秒とは2.4kmに相当する。
ここが日本最北限のスコトン岬である。
緯度では宗谷岬に一歩譲るが、水平線の向こうはサハリン。まさに国境の岬である。
戦後まもなくマッカーサーライン(暫定的な漁船操業海域線)がこの岬に程近いところに引かれた。それが最北限の由来である。
写真では少し見難いかもしれないが、水平線上にぼんやりと島影が見える。現在はロシア領になっているモネロン島である。20数年前に大韓航空が撃墜された忌わしい出来事が思い起こされる。
海驢島は人が住んでいた歴史はあるが現在は無人島である。かつてはトドが良く見られたことが名前の由来のようだが現在はトドはほとんど見られず、もっぱらアザラシが顔を出すらしい。
最北限のトイレである。観光客にとっては用を足すのも記念になる。
ここは最北限の売店である。賑わっていた。
最北限の売店で記念に購入した”訪問記念証”である。(クリックすると中を見ることができます)

日本最北限の岬は独特の情緒がある。戦後、樺太(サハリン)を失った日本にとって、ここはまさしく日本最北限の岬だったのである。