日本最南端はどこか。これは離島マニア、地理マニアなら誰でも知っている”沖ノ鳥島”である。沖ノ鳥島とは東京都小笠原村に所属する絶海の珊瑚礁島であり、基盤となっている珊瑚礁は4.5km×1.7km(外周11km)の面積であるが、満潮時にはそのほとんどが海面下に没してしまい、常時海面上に姿を現しているのが2つの小岩である。この島は国の海洋経済水域を守る重要な島であるとともに、遠方に位置するがゆえに特別な職務を持った人以外は上陸する機会はありえない島なのである。 では、この特別な島を除くと、その次に南に位置する島はどこか? 沖ノ鳥島以外に日本の南側に位置する主な島としては東から西にかけて ・南鳥島(日本最東端:公職者駐在有人島) ・南硫黄島(無人島) ・沖大東島(無人島) ・波照間島(有人島) ・仲之御神島(無人島) などが太平洋上に点在している。 この中で最も南に位置する島が波照間島で、しかも一般人が上陸するための公共交通機関、一般宿泊施設(民宿ではあるが)が整っているのもこの島だけである。 法的には日本国籍を有するものならば、沖ノ鳥島を含めてどの島も上陸は禁止にはなっていない。しかし波照間島を除くと、他の島は現実面でアクセスは困難なのである。 ※法的規制ではないが仲之御神島は動植物保護の観点として上陸は禁止されている。 一般人が目指す日本最南端は波照間島なのである。私は2004年7月にこの島へ訪問した。 |
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東京羽田空港からは、石垣島直行便で出発した。石垣島は新空港建設が凍結しており、既存の空港の滑走路規模が小さいため、使われる航空機材も中型機である。 | |||
石垣島では八重山諸島行き航路のターミナルである離島桟橋から船に乗る。所要時間は約1時間。 | |||
波照間島の港が近づいてきた。防波堤には”最南端の島「波照間島」へようこそ”と書かれている。 | |||
とりあえず民宿へチェックインした。そして、民宿の車を借りることにした。離島ではレンタカーを借りて島内観光することが多いが、波照間にはレンタカーはない。また、宿泊客に車を貸すことのできる民宿も少ない。たいていは徒歩、自転車、原チャリでの観光になる。しかし炎天下の観光には徒歩、自転車では体力が消耗する。車を借りれる民宿をあらかじめ調べていくのが良いだろう。 | |||
地図を頼りに島内を観光する。 | |||
まずはこの島のメジャーなビーチであるニシハマビーチへ行く。とても美しいビーチである。この島ではこのビーチ以外には人のいないような小さなビーチしかない。 | |||
次にいよいよ最南端の島のさらに最南端の岬へと進む。 | |||
ついに到着した。波照間島最南端の高那崎である。写真は竹富町(波照間島が所属する自治体)が設立した”日本最南端平和の碑”である。波照間島自体は直接戦災を受けていないが、戦後米国領事下に置かれていた琉球列島の最南端として、平和への願いが込められているように思う。 | |||
これは波照間の碑である。昨夏訪れた与那国島の”日本最西端之地”に比べると、広大な敷地に複数の碑が賑やかに散りばめられている。男性的で硬派な与那国島に対し、波照間島は女性的で軟派なイメージがする。 | |||
これは有名な日本最南端の碑である。これを建てたのは町村ではなく、本土から島を訪れた学生らしい。琉球列島の日本領土復帰が決まったころのことらしい。 | |||
これは波照間の数少ない観光施設の一つ、星空観測タワーである。波照間は日本で観測することのできる88の星座のうち84が観測できるらしい。12月〜6月にかけての天候条件の良い日には南十字星も見れるらしい。ここにはプラネタリウム、大型天体望遠鏡などが備わっている。 | |||
これは日本最南端の波照間灯台である。島の中心部にあるが、波照間島は山がなく平坦であり、面積も小さいので島の中央に1つの灯台があれば用が足りるのである。沖ノ鳥島には灯台はないので正真正銘の最南端の灯台である。
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日本最南端の郵便局である。ポストもATMも日本最南端である。 | |||
日本最南端の駐在所である。建物の壁には波照間の位置を表す日本地図が描かれている。 |
最後に記念に購入(または無料で入手)した日本最南端の証である。なんと4種類もあった。ただし、波照間島が対象になっているのは左の2つである。右の2つは石垣島で入手したもので、一つは西表島など八重山諸島観光記念、もうひとつは石垣島到達記念である。ちなみに波照間以外の八重山の島々も”日本最南端の島々”を観光フレーズにしている。 | |||
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竹富町観光協会発行 | 安栄観光発行 | 平田観光発行 | 石垣市観光協会発行 |
波照間島、西表島、小浜島、竹富島など竹富町の島々全て対象 | 波照間島のみ対象 | 西表島、小浜島、竹富島など竹富町の一部の島々が対象(波照間島は対象外) | 石垣島のみ対象 |